尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いと、二重敬語・「お疲れ様」などのよくある間違いを解説。ビジネスメールや挨拶文で迷いやすい敬語を正しく使うための基本をまとめました。

敬語の基本とよくある間違い(尊敬語・謙譲語・丁寧語)

尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いと、二重敬語・「お疲れ様」などのよくある間違いを解説。ビジネスメールや挨拶文で迷いやすい敬語を正しく使うための基本をまとめました。

メールや挨拶文で「なんとなく不自然だ」と感じることがあるなら、その多くは敬語の使い分けに原因があります。日本語の敬語は大きく尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つに分かれ、それぞれの役割を押さえるだけで、大半のミスは防げます。このページでは、3つの種類の違いと、ビジネスシーンでよくある間違い、そして正しい言い換えをまとめました。

敬語の3つの種類

敬語は「誰を高め、誰を低めるか」で使い分けます。以下の表を基準にすると迷いにくくなります。

種類役割例
尊敬語相手(または第三者)を高めるおっしゃる、いらっしゃる、なさる、お使いになる
謙譲語自分(または身内)を低めて相手に敬意を示す申す、いただく、参る、お伝えする
丁寧語文末を丁寧にして聞き手に礼儀を示すです・ます、ございます、いたします

ポイントは「尊敬語=相手を高める」「謙譲語=自分を低める」の対比です。この2つを混同すると、相手への敬意が崩れてしまいます。

よくある間違いと正しい言い換え

1. 二重敬語(尊敬語の重ね掛け)

すでに尊敬語になっている言葉に、さらに「〜られた」などを付けてしまうミスです。

2. 尊敬語と謙譲語の混同

相手の動作には尊敬語、自分の動作には謙譲語を使います。「申す」は謙譲語なので、相手の発言には使えません。

3. 「お疲れ様です」と「ご苦労様です」

どちらも労いの言葉ですが、使う相手で決まります。

4. 「させていただく」の過剰使用

相手の許可や好意が前提なら自然ですが、前提のない場面では不自然になります。

5. 補助動詞の「お・ご」の付け過ぎ

「お電話する」は謙譲語として自然ですが、「お食べする」のように和語動詞に無理に「お」を付けるのは不自然です。「いただく」「申し上げる」など定型の謙譲語を使うのが無難です。

よくある質問(FAQ)

Q: 「お疲れ様です」と「ご苦労様です」の使い分けは?
A: 「お疲れ様です」は上司や取引先など、目上・対等の相手にも使えるため、ビジネスメールでは基本こちらを使います。「ご苦労様です」は目下の人(後輩や部下)へ労いの言葉として使うのが一般的です。
Q: 「おっしゃられた」「ご覧になられた」はなぜ間違いですか?
A: どちらも「尊敬語+尊敬語」の二重敬語です。「おっしゃる」「ご覧になる」はすでに尊敬語なので、さらに「〜られた」を付けず、「おっしゃった」「ご覧になった」とします。
Q: 「させていただく」はどこまで使っていいですか?
A: 相手の許可や好意が前提となる場合に自然です(「説明させていただきます」)。しかし「思わせていただく」のように許可の前提がない場面では不自然になるため、使い過ぎないよう注意します。
Q: 社長の発言を報告するとき「社長が申された」でいいですか?
A: いいえ、これは謙譲語と尊敬語の混同です。「申す」は自分を低める謙譲語なので、相手(社長)には使えません。正しくは「社長がおっしゃった」です。